コラム

バックナンバー

医工連携 私の視点

横浜医工連携推進コーディネーター
森尾 康二

Vol.33
H31.4.25
医療における人工知能・AIの可能性

最近の新聞、テレビ、インターネットの中で人工知能AIに関わる記事がたくさん出現するようになったとお感じになりませんか?ものづくりを中心として育ってきた産業界はハードウエアの開発・製品化を飛び越えて、使用者の側での効率化、高度化、使い易さという領域にまで入ってきたという事かと思っています。この領域は従来人間が担ってきているのですが、人知を超えるスピード、処理量、正確さを持ったAIが人間の判断能力を先ず補佐する事から始まって、一部を代替するようになり、やがては全て人間に取って代るという進化を遂げるものと予想されます。

AIの応用分野として医療は最適とされていて、現在爆発的に研究・開発が進んでいます。最近次の2つの関連展示会を見学してきました。

  1. (1)AI・人工知能EXPO
    (2019年4月3日-5日、東京ビッグサイト)
    あらゆる産業界に導入されるべきAI技術という事で、参加しているAI企業は自社のAI技術のプレゼンに力を入れていて、これがどの様に各分野で応用されるべきかについては、開発パートナーへの遠慮もあってか十分に触れられておらず残念でした。そのような状況の中で目を引いた2社をご紹介します。
    1. ① イーグロース(株):眼底画像による網膜剥離の判定
    2. ② (株)インキュビット:CTデータによる肺がんの予測
  2. (2)2019国際医用画像総合展(ITEM2019)
    (2019年4月12日-14日、パシフィコ横浜)
    上記のAI EXPOとは違ってITEMは医用画像に対するAIの利用に特化していて中身の濃い展示が多数ありました。
    1. ① 特に医療へのAI利用を専業とする内外のベンチャーが光っていました。
      例えば:LPIXEL(日本)、NVIDIA(米国)、VUNO(韓国)、inferVISION(中国)。これらの中で一番印象に残ったのはinferVISIONです。肺のCTデータから結節の位置、大きさ、悪性度などの総括的な情報を提供できるというもの。13億人という膨大な人口の中に埋もれている肺のCTデータ情報を掘り出して創り上げたAIを自信を持ってプレゼンしていました。
    2. ② 一方、医用画像装置の大手企業(日立製作所、キヤノン、島津製作所、GE、シーメンス、フィリップス)及び準大手企業(富士フイルム、コニカミノルタ)も自社開発あるいは専業ベンチャーとの連携でAIを表に出したプレゼンを行っていました。

人工知能・AIは上記の様な画像診断分野で先行的に利用が拡大してゆくものと思います。これを追いかけて生体情報、行動情報等を含むテキストデータのAI化によって、病状の予知も期待できる様になってくるものと思います。前々回のコラムにてお届けした医療分野での予測・予知・予防の時代がAIの進化によって益々加速されて行くものと考えています。

前の記事へ

Vol.32