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医工連携 私の視点

横浜医工連携プロジェクト アドバイザー
木下綾子

Vol.29
H30.12.25
archelis(アルケリス)製品発表会 報告

冬の気配が近づいてきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

2018年11月5日、各所から注目を浴びていた株式会社ニットーの製品「archelis(アルケリス)」がついに製品発表会でお披露目され、全国へのレンタルを開始しました。

製品発表会では、共同開発パートナーとして開発に関わった
自治医科大学メディカルシミュレーションセンター センター長 教授 川平 洋氏、
千葉大学 フロンティア医工学センター 准教授 中村 亮一氏、
西村拓紀デザイン株式会社 代表取締役 西村 ひろあき氏
をはじめ、側面からサポートさせていただいた横浜市やIDECなど、多方面から開発ストーリーや開発にかける想いを聞くことができました。

開発のきっかけは、2014年8月に行った川平先生と中村先生との打合せです。それから、デザイナーの西村さんにも入ってもらい、アドバイスを受けながら開発を進めました。

課題は「手術中の医師への負担を軽減する」こと。しかし、①手術室は立ち姿勢を前提に設計されている、②床には医療機器のコードが何本もある、③手術箇所によって医師は立ち位置を変えなければいけないので、普通の椅子では対応できません。また、医療機器への干渉があってはいけません。そこで考えたのが、メカニカルな機構だけで実現した「身につけて、歩ける」全く新しい概念の椅子でした。

通常の製品の場合は2~3回試作をすればユーザーのニーズは満たせますが、アルケリスの場合は装着感にこだわった結果、約3年かけて14回もの試作を繰り返し、たどり着いたのが現在の形です。

機能性を追求した結果、デザインも非常にスマートなものになっています。グッドデザイン賞2018でベスト100に選ばれ、さらにグッドフォーカス賞[技術・伝承デザイン]ということで、中小企業庁長官賞も受賞しました。

まずは国内でのレンタル事業をスタートさせ、東日本を担当するオリンパスメディカルサイエンス販売株式会社、西日本を担当するジンマー・バイオメット合同会社とともに、国内への普及を図ります。

アルケリスは産学官のネットワークを活用した医工連携の成果であり、各所の協力を得ながら進められました。「ものづくりが大好き」だという株式会社ニットー 藤澤社長の想いと真摯な姿勢が伝わる素晴らしい製品発表会でした。

archelis(アルケリス)製品発表会 archelis(アルケリス)グッドデザイン賞2018

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