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医工連携 私の視点

横浜医工連携プロジェクト アドバイザー
森尾康二

Vol.27
H30.10.25
CVIT2018ものづくり企画で学んだこと

 日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)は毎年7-8月に開催されています。私の所属する日本医工ものづくりコモンズでは、一昨年の東京有楽町、昨年の京都に続いて今年の神戸(第27回CVIT:2018年8月2日~4日)でも「ものづくり企画」のタイトルで臨床医とものづくり企業とのシナジーの醸成を試みてきました。この中で医工連携活動に関わる重要な基本的条件が浮かび上がってきました。

 一昨年、昨年の2年に亘って、この学会の中でものづくり企業約20社にブースを構えてもらい、臨床医の来訪を待つという形で進めてきました。しかし結果として臨床ニーズとのマッチングに到達した事例は殆どありませんでした。その反省から今年はこうした企業展示ではなく、10件程度の開発中の案件をその関係者(医師または企業の担当者)から発表する「医療機器開発セッション」という形に衣替えしました。臨床医から見ればこうした具体的な開発案件に接する方がはるかに親近感があって、自らが抱える課題を解決するヒントをその中から引き出せた様で、大変盛況でした。

 臨床医が求める課題の解決とものづくり企業が提供できる技術・商品のマッチングは医工連携における永遠の課題です。臨床医がその世界の中に閉じ籠って解決策を待っている様では動き出しませんし、企業も自分の技術・商品にだけ目を向けている様ではマッチングは成り立ちません。

 この両者の仲立ちが出来る人物、すなわち臨床医の問題意識を理解できて、企業の技術・商品の可能性と限界を知っている人物が居て初めてマッチングの可能性が出て来ます。これには医療機器メーカーの企画・開発部門の人達が最適任者と思われます。企画・開発部門出身のOBの方々がコーディネーターとしてこの役割を果たして頂くのが一番良いかと思います。もう一つの方法として臨床医自らがこの立場に立つという方法があります。最近数多くのベンチャー企業が出現してきていますが、医師出身の起業家が沢山います。更にもう一つの方法としてものづくり企業の方がこの立場に就くというケースもあります。製造販売業許可を取って自ら医療機器メーカーになるという企業が増えてきているのは頼もしい限りです。

 CVITの「ものづくり企画」では来年以降も「医療機器開発セッション」というタイトルで開発案件を開陳して頂く機会を作っていきたいと思っています。多くの方々のご参加をお待ちしています。

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