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医工連携 私の視点

横浜医工連携プロジェクト アドバイザー
森尾康二

Vol.01
H28.7.25
医工連携による「新しい価値」の創造に向けて

多くの政治的・社会的・国際的な不安定要素を抱えて景気の先行きが見通せない中で新年度を迎えました。新しい組織、新しい体制の下で今年こそはと張り切っておられる方々が沢山おられる事と思います。横浜市の医工連携活動に当たる者の一人として、皆さんに希望を持って頂けるメッセージを発信してゆきたいと思っております。

このコラムをお読み頂いている読者の皆さんは色々な産業界の色々な職種にて日常的に「社会の役に立つ何らかの価値」を作ってきておられるはずです。振り返れば日本は繊維産業・鉄鋼産業の時代からエレクトロニクス産業・自動車産業の時代を通してこの価値を生み出し続けてきて、これによって世界に誇れる日本の産業を確立してきました。しかしながら今我々は転換を迫られています。新しい時代に求められる「価値」は何か・・・・
これを求めて我々はさまよっています。

衣食住は少なくとも「モノ」によるものは今ほぼ完全に充足されています。更に高度な欲求である旅行、グルメ、情報、娯楽なども安価に市場で入手できます。最後に残るものは「健康でいたい」、「安寧に過ごしたい」という欲求で、これを充足させるのが「ヘルスケア産業」です。医薬品産業、医療機器産業はこの重要な一部ですが更にその周辺には健康・スポーツ機器、介護機器、美容機器。サプリメント等多様な産業があります。我々はこうした幅広いヘルスケア産業の中で「新しい価値」を作り出してこれを商品として世に出して産業として育ててゆきたいと思っています。

新しい価値の創出をヘルスケアに求める動きは政府、地方自治体にても同じであって規制緩和だけでなく色々な種類の助成を行っています。この中で「医工連携」という言葉が頻繁に使われるようになってきました。これまで大学の医学部単独で、又工学部単独で医療技術の研究・開発を行ってきたものを共同で行えばもっと効率が上がり実現性が高まるであろうとの仮定でこの言葉が出来たと一般に理解されています。大括りにはこれで間違いはないのですが、医療技術開発は数多くの多様性を内包していて、このように単純には括れないのです。次回以降実例を踏まえて徐々に「医工連携」の中身に入ってゆきたいと思います。

以上