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医工連携 私の視点

横浜医工連携プロジェクト アドバイザー
森尾 康二

Vol.12
H29.7.25
CVIT2017ものづくり企画の報告

本コラムのシリーズを始めて、今月で丸1年になります。この間皆様の御協力を得ながら、出来るだけ興味を持って頂ける、その折々のテーマを取り上げてきました。今後ともどうぞ宜しく、ご希望やご要望などを寄せて頂きます様にお願い申し上げます。

私が所属しています(一社)日本医工ものづくりコモンズは、いくつかの医学会の協力を得て年1回の総会の中でものづくり企業の展示を含む「ものづくり企画」を実施しています。この度、心血管インターベンション治療学会(CVIT2017, 7月6日―8日)が京都国際会館で開催されるのに合わせ,ものづくり企業22社にブースを構えて自社の光る技術を紹介してもらいました。横浜からはアネスト岩田(株)、(株)SKKテクノロジー(協立金属工業(株)の関係会社)、(株)JMC、ニイガタ(株)の計4社が参加しました。この「ものづくり企画」はインターベンション(血管内治療)に携わる臨床医にものづくり企業の技術を知ってもらい、新しい開発に繋げる事を目指していますが、やはり両者の仲立ち役が必要と考え、今回は医療機器メーカーのR&D担当の方々にも参加をお願いしました。これまでにないものづくり企業の光る技術について医療機器メーカーから良好な反応があったと聞いています。

ものづくり企業の展示と並行して、パネルディスカッションも開催しました。「インターベンション治療の分野で世界的な開発の成功を目指して、医師の立場から、企業の立場から」と題して、既に画期的な開発を行われた井上寛治先生(PTMC研究所所長)と伊苅裕二先生(東海大学循環器内科教授)のお二人から開発の経緯の報告や企業2社からの報告もありました。このテーマもさることながら、具体的な開発プロセスの紹介にも興味を持って頂いて300人程を収容できる会場が満席で、立ち見も出るという盛況ぶりでした。 とりわけ座長の池野文昭先生(スタンフォード大学)の妙を得た司会が特に目を引きました。医療技術の開発をシリコンバレーを含む日米での長い経験から、開発に携わる人物の 資質として池野先生は次の3点を強調されていました。

  • 若者:若い方々の柔軟な発想が開発をもたらす。井上先生、伊苅先生ともに33歳で開発を完了されていることから、33歳が一つの目途とされた。
  • よそ者:異なった国、分野での経験を積んだ人から常識に捉われない発想が出てくる。
  • ばか者:旧弊に捉われない、新しい発想が開発の基本となる。

インターベンションは今後拡大が予想される低侵襲医療のど真中に在って、新しい開発の機会が増えてきます。池野先生が指摘される資質を持った臨床医が欧米では沢山控えている一方、日本では一歩を踏み出せない臨床医が沢山おられる様に感じています。こうした臨床医の方々に今後我々の側から積極的にアプローチをしていきたいと思っています。

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