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医工連携 私の視点

横浜医工連携プロジェクト アドバイザー
森尾 康二

Vol.19
H30.2.26
第4回 全国医療機器開発会議

毎年1月末に掲題の全国医療機器開発会議が開催されています。医工連携に関わっている国や地方公共団体、支援機関等が一堂に会し、その施策を披露するというのがこの会議の趣旨です。今年は1月26日に開催され、第1部が地方公共団体、支援機関向けの各省施策説明、後半の第2部は医療機器ビジネス参入企業向けに支援ネットワークや補助事業など実務ベースでの施策の説明が行われました。

当日の資料はこちら

1 株式会社クレスコ

「OCT画像と機械学習を用いた眼底疾患診断の研究」

人工知能(AI)の主要な手段である機械学習は一般産業界のみならず医療分野にも今後普及していくものと考えられていて、既に試験的にCT,MRIなどの画像や病理診断における画像の解析と診断に用いられてきています。高齢化によって今後質・量ともに増加が予想される眼科分野、とりわけ網膜疾患においてこうしたAI技術の普及は必須と考えられます。網膜の断層を撮影できるOCT(光干渉断層画像)は基幹病院にまでは普及していますが、今後一般病院やクリニックに対して、こうした診断支援のバックアップが普及の後押しをしてゆく事になると思われます。

2 株式会社ナノ・グレインズ

「超微細粒ステンレス鋼を用いた0.7mmφ内視鏡用鉗子開発」

ナノ・グレインズをリーダーとして諏訪地方の中小ものづくり企業が各々の優れた技術を結集して、「SESSA(中小企業医療機器開発ネットワーク)」という企業グループの中でこの細径鉗子を開発しました。この活動の中心になっている鈴木啓太氏(ナノ・グレインズ医療機器本部 本部長)は元オリンパスの技術者として同社の主要な製品の開発に携わってきました。「超微細粒ステンレス鋼」との出会いをきっかけにナノ・グレインズにて医療機器事業を設立しました。当初から提携の対象を海外の主要な内視鏡メーカーに絞り込んで、世界最大の医療技術見本市COMPAMEDに3年連続で出展し、昨年11月に遂にドイツの主要な内視鏡メーカーであるRichard Wolf社との提携にこぎ着けました。

SESSA

クレスコはこれまで医療機器業界には全く縁がなかったが、新しい技術を持ち込んで価値を提供しようとしています。一方ナノ・グレインズは業界の中を知り尽くしたリーダーのもとで、これまでにない価値のある製品を開発しました。アプローチの仕方は違っていても臨床の場に価値をもたらす事が医工連携の本質であることを両社は証明してくれています。

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