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医工連携 私の視点

横浜医工連携プロジェクト アドバイザー
森尾康二

Vol.28
H30.11.27
COMPAMED 2018 報告

世界最大の医療技術見本市 COMPAMED 2018が例年通りドイツ・デュッセルドルフにて開催され、昨年に引き続いてIDECと横浜市は横浜パビリオンを構成して参加した。 11月12日(月)~15日(木)の4日間に亘って多数の来場者をお迎えして、横浜パビリオンは大盛況だった。今回の出展に際して、参加する5社に対しては昨年の経験に照らして出来る限りの内容の充実と事前の準備をお願いしてきた。一度だけの経験と一年間という短い時間の中であったが懸命の準備をしてもらった結果、予想に違わぬ成果を上げることが出来た。各社の概況は次の通り。

  • アネスト岩田(株)/ EAコーティング(電界を利用したコーティング)
    昨年の展示では大きな反響があったが「試し塗り」の技術と体制に制約があって十分な対応が出来なかった。今年は対応可能な対象(客先とコーティング対象物)に絞ってビジネスの可能性を深化することが出来た。
  • 協立金属工業(株)/ ステンレス異型細線
    ステンレス細線の業界は欧米中心に市場を独占しているジャイアント企業があって材質・寸法等の規格はこの企業が決めている事が多い。細線を使う顧客(バネメーカー)に対してはこのジャイアント企業から供給されていないニッチ市場を求めて、欧米商社との協力関係を構築してゆく事ができた。
  • シンクランド(株)/ マイクロニードル
    昨年はユニークな製造原理を説明するだけに終わった。この一年の間に針の長さが400μmまで伸ばせて実用に供する事ができるまでに技術を進化させて、その結果としてインシュリン注射用のマイクロニードルアレイを開発して展示した。IVAM(後述)の技術発表会への参加もあって大きな反響があった。
  • (株)山之内製作所/ 大動脈解離用ステント
    従来、大動脈解離用に十分に対応できるステントはなかった。これは十分なラジアルフォース(血管壁を押し広げる力)を持つステント(しかもカバーの無いベアステント)を設計・製造することが出来なかったため。この開発によって大動脈解離の処置は一変する可能性を秘めている事が今回の来場者の方々に理解してもらえた。
  • (株)横浜ネプロス/ 金属の化学的バリ取りと研磨
    我々の出展社の中で唯一商品として確立している技術。昨年に引き続いて金属表面の処理に関わる来場者からの反響が大きく、昨年を大きく上回る引き合いを得ることが出来た。

今回、新たにドイツの微細技術分野の企業ネットワークIVAM(イーファム)との協力を試みた。IVAMに参加している在ドイツ及びヨーロッパの、微細技術を利用した医療機器・技術の企業約25社が横浜パビリオンの隣にブースを構えている事から、IVAMの運営責任者であるディートリッヒさんに、横浜企業5社の技術を聴き取ってIVAM所属企業とのシナジーを生み出して頂くべくお願いした。4日間の会期中の3日目にスタートして、散発的にマッチングは出来たが十分ではなかったため、事前準備を含めて組織立った実施が必要と思われる。

4日間の会期を振り返ってみれば、5社の企業はいずれも多数の来訪者を獲得し、地理的にも、また利用分野も広がった。こうした横の広がりに対して、技術の成熟に伴い商品化に近づいている事から、再来訪者を含めてより深い商談が出来る様になってきた。こうした個別の商談を帰国後もフォローして、来年には更に一段と深い関係を構築して成約に結び付けて行きたいと考えている。

横浜パビリオンの様子

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